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アルベルゴ・ディフーゾという観光地域づくりのモデル|賑わい創出|苫小牧駅前周辺ビジョン

2023年11月29日(月)18〜20時、北海道苫小牧市にある空きビル第2長山ビルで、エリアコンセプト PUBLIC MEETING#3が開催され、参加者約20名が小グループに分かれて、何をするかをWhat・Who・Whenフレームワークを用いて具現化するためのアプローチを行い、施策案を地図上に可視化していきました。

施策案を地図上に可視化
施策案を地図上に可視化

アルベルゴ・ディフーゾ

今回のミーティングでは、より解像度を高めて実現性や取り組みを明示していく過程で、参加者の北川拳汰さんから「アルベルゴ・ディフーゾ」という具体的なキーワードが出ました。アルベルゴ・ディフーゾ(Hotel Diffuso)は、イタリア南部で行われている取り組みです。地域に散らばっている空き家を活用し、建物単体ではなく地域一帯を点在型ホテルとするイタリア発祥の取り組みのことです。まち全体をホテルと見立て、レセプション、宿舎、レストラン等の構成要素がまち中に広がっています。地域に暮らすような滞在スタイルであり、地域の「水平的発展」を実現する観光地域づくりのモデルとして注目されています。

北川拳汰グループのプレゼン
北川拳汰グループのプレゼン

伝統的なホテルとは異なり、客室が一つの建物に集中しているのではなく、小さな町や村の中に点在しています。このアイデアは、過疎化した田舎の村々を活性化させるために考案され、訪れる客にはその地域の文化や生活に浸る機会を提供します。アルベルゴディフーゴは、地域の伝統的な建物を利用し、地元の食材を使った料理や、地域固有の体験を提供することで、より豊かな滞在体験を実現しています。


観光版DAO?

「アルベルゴディフーゾ」と「DAO(Decentralized Autonomous Organization)」は、基本的なコンセプトにおいて異なりますが、いくつかの似た特徴を持っています。

  • 分散性: アルベルゴディフーゾ: 客室や施設が一つの場所に集中していない。代わりに、これらは村全体に分散して配置されている。 DAO: 中央集権的な管理体制を持たず、ブロックチェーン技術を使用して、組織の意思決定をメンバーに分散させる。

  • コミュニティの参加と協力: アルベルゴディフーゾ: 地域社会の一部として機能し、地元の人々との協力によって運営される。 DAO: メンバーがガバナンスに参加し、組織の方向性や決定に影響を与える。

「観光版物理的DAO」という表現は、アルベルゴディフーゾについて理解を深めるための一つのアプローチとしては面白いです。この表現は、アルベルゴディフーゾの「物理的な分散性」とDAOの「分散型の概念」を結びつけることを試みています。

  • アルベルゴディフーゾは、宿泊施設が村や町全体に分散している点で、物理的な空間の分散を示しています。

  • DAOは、意思決定権や組織運営がメンバーに分散している点で、管理の分散を示しています。

この表現は、アルベルゴディフーゾの物理的な特性とDAOの分散型の組織原理を組み合わせた比喩として機能します。しかし、実際の意味でのDAOの概念とは異なりますので、この表現を使う際は、その比喩的な意味を明確に理解しておくことが重要です。アルベルゴディフーゾは、分散型宿泊施設のモデルとして、物理的な空間の分散を実現していますが、DAOのような分散型の意思決定構造を持つわけではありません。

ミーティングの後はブルワリーで
ミーティングの後はブルワリーで

まとめ

アルベルゴ・ディフーゾは、イタリア南部で始まった観光地域づくりのモデルです。この取り組みは、空き家を利用して、村全体を点在型ホテルとして機能させることを目的としています。客室や施設は一箇所に集中せず、町中に分散して配置されており、訪問者に地域の文化や生活に浸る体験を提供します。アルベルゴ・ディフーゾは、地域の伝統建築を活用し、地元食材を用いた料理や地域固有の体験を通じて豊かな滞在を実現します。このモデルは、物理的な空間の分散という点でDAO(Decentralized Autonomous Organization)との共通点がありますが、DAOのような分散型意思決定構造を持つわけではありません。このため、アルベルゴ・ディフーゾを「観光版物理的DAO」と表現する際は、比喩的な意味を明確に理解する必要があります。


妙に「分散型」というフレーズが気になってしまった筆者の戯言でした。あしからず。



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